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2015年12月4日金曜日

アトピープログラムの更新・子供の治療


今までは成人アトピーの治療だけを行って来ました。その理由は子供の治療は大人とは異なり、親子の関係や親の精神状態などにもより、大変治療が困難するケースが多いです。子供がアトピー持ちで、親が持っていないと病気に対する理解などが子供に伝わらないケースがほとんどです。次第に子供の方もありとあらゆる治療を親が持ってくるので、治療が嫌になり放棄したり、自ら病気を悪化させたりするケースがあります。喘息などでも、病気を使って親をコントロールする現象はアメリカでも良くあるようです。あのおもちゃを買ってくれないと、病気をこじらせ、親に罪悪感を感じさせる子もいます。

このような問題もアトピーでもあり、無理やり引っ掻いたり、痒くなくても痒いと言ったりして治療が困難化されます。”小児科”と言う分野もあるぐらいなので、成人の治療とは別世界になります。使えるお薬も限られて来るのも事実です。

但し、アメリカでは子供の間にアトピーをコントロールする正しい知識や適格で安全なお薬により、成人アトピーで苦しんでいる患者の数が圧倒的に少ないです。アトピーは全世界にある病気なのですが、アメリカへ旅行や治療中にも町へ出ても、一人もアトピーの人とは遭遇しないケースがほとんどです。日本では、私でも電車の中や空港、レストランなどで必ず見かけます。アトピーを患っている人は他に持っている人をすぐ判ると言っています。

子供の治療で成功に繋がる要素は親への教育と子供自信に少しずつ自立させる事が重要です。他の子はアトピーを持っていなくてもあなたは持っていますよ、スキンケアも最終的には自分でする事ですよ、診察中も親にばっかり話すのではなく、患者本人に喋りますよ、と子供にも教育します。日本のカルチャーでは巣離れするのがアメリカよりも少し遅い傾向があるので、始めは戸惑いますが、子供の覚えるスピードはとても速く、自分で保湿したり、お薬も必要な時は親に言って、塗って貰ったりしてかなり変化が見られます。

治療を行って行き、効果がある事を実感すると本人が楽になるのでケアーをやってくれます。特別なケースで子供の治療も今まで行って来ましたが、親と子供のチームワークによって成功しています。親がパニック状態で新しい知識も入らず、精神状態が不安定な場合、どんな治療方針を取っても困難化していく事は事実です。

親子の場合は(親アトピー無し・子供アトピー有り)まず日本できちんと教育し、アメリカでの治療への信頼を作り、治療を成功させるための準備が必要になります。ビデオSKYPEを使ったりして、コミュニケーションを取りながら教育し、アメリカの治療へ行ける準備が整った上で渡米される事になります。成人アトピーでもこの部分はありますが、親子の場合は念入りに渡米前の教育が必要となります。

(2年前の親子治療に渡米された方達です)


子供の間にきちんと正しい治療方針を続けると、成人になった時のアトピーの度合いやリバウンド・ステロイド軟膏漬けになっていないのでコントロールがとても楽になります。スキンケアもしっかり行い、アレルギー治療も続けると大人になってから全然違います。

講演会で印象に残ったご質問が:アトピー性皮膚炎の遺伝性は何%ですか?やはりアトピーを患っていると子供を産まない方が良いのでしょうか?と聞かれました。ドクターからの回答は、アメリカで30年以上皮膚科医をしている中で、アトピーを患っているから子供を産みたくない、怖い、と言う方は聞いた事が無いとおっしゃっていました。遺伝性はお父さんとお母さんが疾患を持っているかなどにより異なりますが、どちらか一人しか持っていないと遺伝性は少ないはずです。二人持っているとかなりの確率でアトピーの子が産まれますが、因子の強さなどにもより、異なってきます。あまりにも軽症の方ですとアトピーを持っていた事さえ忘れているか、”敏感肌”としか思っていない人も多いです。

コントロール出来る疾患なので、正しい知識と治療法を行えば心配は無いとドクターはおっしゃっています。


我々の今後のプログラムでは、日本で正しい知識を広めるための、親子専用治療プログラムを作る段階に入っています。20年ほど前の患者様で、治療後結婚もし、子供も産みましたがお子さんがアトピーでした。但しお母さんが正しい知識を持っているのでお子様も上手にコントロール出来、成人アトピーの困難化されていない子に育ちました。この方が親子プログラムの代表とし、自分自身も治療を受け、お子さんはコントロール出来ている、と言う事実を他の困っているご家族の方達に広めて行きたいと思っています。

(ポートランドでのカヤックツアー)

(オレゴン州立大学のダックスのTシャツを着てくれています)

まだ正式にスタートしていませんが、こちらの準備が整い次第、すぐに告知致します。ゴールとしては来年早々からこのプログラムをスタートしたいと思っています。

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